ニッポン景観論 〜壊してはいけない”眺め”がある〜@アレックス・カー
来週19日に記念講演を頂く講師でもあり、
昨年より一般社団法人全国古民家再生協会の特別会員に就任されたアレックス。
今日は、外国人であるアレックスが唱える想いを少しご紹介させて頂きたいと思います。
アレックスが著する「ニッポン景観論」より。
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1964年、父親の赴任先だった日本に降り立って以来、
半世紀にわたって日本の変化を見つめ続けてきたアレックス。
この書籍は、アレックス本人が国内各地で撮影した景観破壊の現実を紹介しながら、
その国家的損失を指摘するビジュアルリポート。
以前、アレックスが京都で古い町家を改装した宿泊施設を運営していたとき、
外国人の旅行者が、頭上に電線が張り巡らされた町を見て、「京都ってインドみたいな所なんですね」と言ったという。
京都などの観光名所では、敷地内の景観は丁寧に保存されているが、
本来、景観は街並み単位で考えるもの。
先進国で、電線の埋設が進んでいないのは日本だけだとその無法地帯ぶりにあきれる。
さらに建築物に関しては規制するのに、携帯基地局に関しては何も規制がないと、
のどかな田園風景を台無しにする携帯基地局や電力会社の巨大な鉄塔などにも言及する。
続いて、街中にあふれる看板が経済効果を上げるどころかその場の価値を台無しにしている実態を取り上げ、
美化をうたう看板自体が町を汚していると手厳しい。
確かに、市民グループの要望で由布院の駅前の銀行が看板の高さを低くした例を見ると、その違いは顕著。
看板ひとつに気を配るだけで、景観はガ然、品格と落ち着きを取り戻す。
その他、山の斜面を覆う擁壁や、河川の護岸、そして海岸線の消波ブロックなど、
自然に対する「尊敬の念」もなく、コンクリートを多用した公共工事の産物たちや、
「奇抜なものをつくることが地域発展につながる」と信じて建てられた地方自治体による建築物などを俎上に載せる。
改めて指摘されると、これまで見慣れた風景が、実は目を覆いたくなるような光景であったことに気づかされる。
その上で著者は、これからは、足し算の工事ではなく、こうした汚れてしまった国土を「大掃除」する
引き算の公共工事をすべきだと提言している。
観光立国、2020年の東京五輪を目指し、日本が何から取り組むべきかを教えてくれる。
これは、地方都市が地域の財産を今一度見直すことが重要であることを教えてくれる考えだと私自身、痛感しました。
外から日本に来たアレックスだからこそ、日本の良さと悪さを客観的に感じ、日本の良きものを残す為に、考動をおこしている姿は、
我々、日本人として学ぶべきことが多くあると思います。
来週2月19日 一般社団法人全国古民家再生協会 第6回全国会員大会にて
記念講演を行って頂きます。会員以外の方も参加可能ですので是非ご興味ある方はご参加されてみるべきだと思います。
建築に従事しているしていないや、一般の消費者誰でも学び多き講演になると思います。
私も今から楽しみにです!
申込は下記から可能です!
→ http://zenkoku2016.g-cpc.org/