大空に舞う虻凧(あぶたこ)。
先日、岐阜でシロアリや害虫の対策をおこなう伝統建築防腐防虫対策協会の永嶺理事長がFacebookに虻凧を飛ばしているお爺さんの写真と、その時お話された内容が少し書かれていました。
虻凧を飛ばしていたのは、岐阜県に住む虻凧名人のSさん。
この虻凧は、今から150年程前から岐阜県の美濃地区に代々伝わる伝統的な遊びのひとつだそうです。
Sさんは知り合いから120年前に作られた美濃の虻凧を譲ってもらった時に
「おとっちゃんがよく田んぼに連れて行ってはこの虻凧を上げてくれた。夢中になってやっとた」
という話を兄弟から聞かされたそうです。
Sさんは幼少時代にお父さんを戦後の後遺症で亡くされ、お父さんの存在を知りませんでした。
しかし、Sさんは
「おとっちゃんが夢中になって遊んだこの虻凧を自分も作ってみよう。きっとおとっちゃんも喜んでくれるだろう」と亡き父への想いを胸に独学で虻凧づくりに没頭したそうです。
これは、
父から子へ思い出の伝統伝承・・・
そして、骨組みとなる材料は古民家が解体される現場から出た廃材や竹小舞や茅葺き屋根に使われている竹を再利用します。
よく竹が乾燥し、軽量でいいしなりが出るそうです。
これは、我々が日頃目指している循環型建築と共通する部分があります。
Sさんは、
「未来の子ども達へ伝統継承をしていきたい・・・」という想いがあります。
感動的なお話は、ジャパトラの3月号でご紹介します。
快く取材に応じてSさんと永嶺記者に心より感謝します。
そして、ジャパトラは日本の伝統を伝えます・・・
ジャパトラとは、(一社)住まい教育推進協会が毎月発刊している情報誌情報誌「日本の伝統〜Japan Traditional」の略称で主に住宅(古民家)に関わる情報をお届けしています。古民家以外にも地域に残る日本の伝統・文化を全国に居る記者によって記事が集められます。
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