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もう有名な話ではありますが、セミナーや古民家鑑定士の講習時にお話すると
とても関心を持ち、メモを取られる方が多いのでご紹介致します。
「中国のシックハウス事情」
その前に、シックハウスとは・・・
住居内での室内空気汚染に由来する様々な健康障害を総称して、シックハウス症候群と呼びます。
住宅の高気密・高断熱化が進み、新建材と呼ばれる化学物質を含有した建材を多く用いたことにより、
室内空気が化学物質などに汚染され、そこに住まう人の健康に悪影響を与えてしまいます。
シックハウス症候群の主な要因
■建材から揮発する化学物質
化学物質を含有・添加した新建材が多用され、そこから揮発する化学物質によって室内空気が汚染されてしまっています。
壁紙、接着剤、合板、塗料などあらゆる建材が室内空気汚染の原因になっています。
■家具などから揮発する化学物質
じゅうたんやカーテン、家具からも化学物質は揮発しています。接着剤や難燃剤、防虫剤など様々な化学物質が用いられています。
■換気不足
住宅の高気密・高断熱化が進みましたが、換気対策が遅れたために、室内空気汚染の原因となってしまっています。
計画換気の必要性への認識が不足しています。
■ダニ・カビ
高湿度で結露を起こしやすい住宅では、ダニ・カビが発生しやすくなってしまいます。ダニやカビによるアレルギーなど、
健康に悪影響を与えています。
■体質の変化
アレルギー体質の人や化学物質に過敏な体質の人が増えています。またストレスなどの心理的要因なども、
シックハウス症候群の原因ひとつではないかと考えられています。
■日常生活用品
化粧品やタバコ、スプレー類、防虫剤、暖房器具などの日常生活用品から発生する化学物質も原因となります。
そんな中、平成15年7月1日にシックハウスの為の規制が導入され建築基準法が改正されました。
・ホルムアルデヒドに関する建材、換気設備の規制
・クロルピホスの使用禁止
対策として内装仕上げの制限がもうけられ、F☆☆☆☆が推奨され、それに満たない場合は使用面積が制限されたり、
使用が禁止されるものも中にはあり、換気設備設置義務なども導入されています。
だから、大丈夫と考えている方も少なくないのでは?と思います。
今日のタイトルでもある「中国のシックハウス事情」から、中国の数字をご紹介します。
2010年の中国政府発表で
屋内の空気汚染に関連した健康問題で、中国国内で年間220万人の青少年が死亡しているとの報告書を発表。
そのうち半数は5歳未満だといいます。
中国は屋外の大気汚染がひどいことで知られていますが、報告書によると、室内空気の汚染の度合いはその大気汚染と
比較しても5~10倍高い場合が多かったといいます。
報告書によると、屋内の空気汚染により呼吸器系の疾病やその他の症状が発症し、220万人の子どもが死亡、そのうち100万人は5歳未満。
危険性の高い汚染物質にはホルムアルデヒドやベンゼン、アンモニア、ラドンなどが含まれ、中でも危険性の高いホルムアルデヒドは、
中国では建材や新品家具に含まれていることが多く、数年間かけて屋内に放出される可能性があるといいます。
中国政府の発表ですから、この調査に含まれない方も多数いると思います。
この数字を見て、中国だから仕方ないね・・・。と見るのは危険です。
日本も人ごとではないと思っています。
24時間換気を取り付けたところで、本質を知らない為に冬場は電源を切られる方が多い現状や、
いくら建材にこだわっても、消費者が建築後に自身で買いそろえる家具やその他諸々。
そこからも有害物質を排出する危険性は高まっています。
そしてF☆☆☆☆が永遠に安全では無いという事です。
シックハウス対策法の規制をクリアするため、各建材メーカーはホルムアルデヒドの放散量を抑えた建材をどんどん市場に出してきました。
しかし、この大半はホルマリンキャッチャー剤というホルムアルデヒドの放散量を抑える薬品を使ってホルムアルデヒドを封じ込めています。
このキャッチャー剤はホルムアルデヒドの吸着作用はあっても分解作用はないので、薬品の効果が無くなったら(およそ3年程度)ホルムアルデヒドは放散されます。
住み始めて3年以上たってから検査すると、F☆☆☆☆では無くなってしまっている可能性もあるのです。
また、このキャッチャー剤自体の安全性についても疑問視されております。
成分明示されていないものも多いうえに、試験・検査をしたデータも無いのが実情で安全性に不安があります。
実際のところ、この現実はあまり知られていないため、大半の皆さんはF☆☆☆☆が絶対安全だと信じています。
建築業者すらそう思い込んでいる人が多いため、いつまでたっても正しい情報が家を建てる方やリフォームする方まで届きません。
古民家は、気密性が低く自然素材の住宅。
本来、健康な住宅を考えるならば古民家から学ばないといけない・・・そう感じます。
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