瀬戸内海のほぼ中央に位置し古くから港町として栄えた鞆の浦。
ここには江戸時代からの町並が今も残っています。 現在、広島県に在住の古民家鑑定士さんで構成されるメンバーで歴史的な町並を歩こうという企画で鞆の浦へ行ってきました。
鞆の浦は坂本龍馬ゆかりの地としてや、宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」の構想を練った地としても有名な土地です。
この町の道路の大半は江戸時代から継承されるものであり、幅員が狭く現代の車の通行に支障をきたす箇所も少なくありません。
「利便性より景観を守る」
そんな想いが強い土地だと感じました。
長年続いている港の両岸を埋め立て東西を結ぶバイパス計画の反対運動。
その中で2ヶ月程滞在した宮崎駿監督が残したメッセージ。
「鞆の浦は車が遠慮して走っています。道路を造って橋をかけて渋滞をなくせば幸せになるか。そんなことないでしょ。不便を忍んで生きているんですよ。そういう哲学を持たなきゃいけないんじゃないかと思うんですよね。不便だから愛着もわくというのが人間の心。便利で静かで穏やかで落ち着いているなんてとこないですよ。便利はうるさい。不便も良さにつながるんです。」
こうした残していきたい町は全国にまだまだ沢山あると思います。
またゆっくりと歩きたいと思います。
3月号でもご紹介させて頂いています。
ジャパトラクラブから毎月講読できるサービスをおこなっています。
Writer:河野 公宏