文明の進化として解り易いのは、電話でしょうか。
一昔前はPHSがはやり、その前はポケベル。ポケベルはもう死語かもしれませんね。
日本で普及し始めたのは1985年、NTTが発売したショルダーホンの携帯電話。
重さは約3キロ・・・。しかし、この時代では画期的だったのです。
その後、携帯電話は進化を遂げ1990年代には、小型化、液晶画面(モノクロ)や着信メロディーを自分で作れるものなどが出てきました。
約10年くらいでかなり進化をとげ、多機能化が進み普及が進みました。
そして徐々にポケベルからPHSや携帯電話へ移り変わり、高校3年生頃に折りたたみ携帯が普及し始めました。
ドコモのNシリーズ流行りました。今のiPhoneみたいな感じです。みんなコレを使っててましたね。
この後、カラーディスプレイが発売され即購入したのを覚えています。
これが、約12年程前の話で、まだカメラ機能なんて付いていない時代です。
そして今では・・・
iPhoneやスマートフォンなど、こうした携帯が当たり前になりました。
12年前なんて、考えれなかった事です。もはや携帯電話の域を超しました。
本題はここらです。
住宅業界は2010年頃からスマートハウスの普及を大手中心にスタートされています。
スマートハウスはエネルギーのムダを省く「省エネ」、エネルギーを作る「創エネ」、ためて使う「蓄エネ」、エネルギーを見える化する「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」を実現する住宅です。
・省エネ(断熱、気密、高効率給湯器など)
・創エネ(太陽光発電、家庭用燃料電池)
・畜エネ(家庭用蓄電池、電気自動車など)
・HEMS(各種電気機をネットワークでつなぎ一元管理するシステム)
・タブレット型端末(創エネ機器による使用状況などを管理するHEMS専用タブレット)
もう言いたい事解りましたか???
イラストを見ると近代化でスマートに見えるかもしれませんが・・・矛盾した事をおこなっている様な気がします。
まず、環境に配慮するならば工場生産の機器を減らす事が大切だと思います。
住宅に取り付けてから省Co2で環境に良いかもしれませんが、生産時や流通時には多くのCo2が排出されます。
そして、決定的なところ。携帯電話と同じで、電気製品は日々進歩しています。
たかが電話がこの20年でどのような進化を遂げたでしょうか?今は携帯電話と言わず、スマホって皆さん言います。文明が進化し携帯電話の域を超えたのです。メールも今やLINEなどのアプリが普及し今までと活用方法が日々変わっています。
携帯電話は比較的に安価で短い寿命ですから支障はありませんが、住宅はどうですか?
よく考えて欲しいと思います。
・10年毎に建て替えるのですか?新しいシステムが出ると都度、導入するのですか?
・30年後に同じシステムが現役バリバリで使えていると思いますか?
・あなたが今、建てようと思っている住宅は何年住もうと思いますか?
冷静に考えると解ると思います。将来、電化製品化した住宅に価値は出ないと思います。
また、価値がなくなった住宅はどうなるか・・・。壊され新しい建物が建てられます。
ちょっと待って下さい。
環境に配慮する為の住宅が余計、環境を悪化させています。古民家の方がだいぶ環境に優しい住宅です。
大手メーカが進めるスマートハウスはパッと見は華やかかもしれませんが、よく考える必要があると思います。
本当に環境によい家を創るには文明も大事ですが、文化を学ばなければいけないと思います。
そんなヒントが古民家には隠されています。築100年を超す古民家が全国にはまだまだ沢山あります。
こうした日本の財産がある間に、よく学び次世代に残せる本当に価値のある住宅を創らないと行けないと思います。
そのひとつとして、
グリーン建築推進協議会が推し進める「グリーン建築の家」があります。
将来、グリーンの家が古民家として呼んでもらえる日本の住宅として、成長するように地道に頑張るしかありません。