第2回再築大賞 発表!

第5回全国会員大会内で、再築大賞の授賞式を開催させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

H家上棟:明治16年(西暦1883年)
H家8代当主が当時10~15年の歳月を掛け、構造材は地山より切り出し当家の目の前の湖畔にて原木を水中乾燥し、製材された躯体は歳月を重ねた建物のなかでも大変素晴らしいものでした。
H家130年の歴史のなかで、関東大震災、東日本大震災と二度に渡る震災にも耐え家族を護ったこの家、現在の当主(13代)も先祖が守り、引継いだこの建物を、意匠は崩さず現代の生活スタイルに合わせた間取りへ変え継承したく上棟時の姿まで戻し(柱残し他全解体)全面修復工事を選びました。
躯体補強を行い(基礎から)耐震性能を現行法まで向上。外部建具類も全てアルミサッシを入れ断熱等の性能を向上させながらも意匠を保持させるため戸袋は木製の制作戸袋とし、外壁も簓子下見板張り+漆喰仕上とし、意匠は以前にまして竣工当時の面影を反映しました。
《残したいものは、H家先祖より引継がれし想い、今を生きる家族、これからの未来への継承。》

 

審査員コメント

本作品は明治16年に建てられた古民家を次世代へ継承しようと施主と設計者と施工者が一体となって取り組んだ再築工事であり、すべてを新しくするのではなく、柱に貼られた娘さんが子どもの頃に貼ったシールをそのまま残し、また欄間なども照明に再利用したりをしながら、かつ水回りなどは快適に生活ができるように改修されており、古民家の良さを残しながら暮らしやすい住環境を提供しています。また、施工にあたり板図の作成や原寸図の作成など施工者の技術の育成にも取り組んでおり、住まいを継承することと併せ、伝統や技術の継承にも積極的に取り組む姿勢を高く評価し受賞といたしました。
また、国産木材の使用状況についても新規で納入した材木の6割以上が国産木材で、設計者自身も地元木材の活用の重要性や耐久性の高さについても理解をしており、且つ建物に使用されていた古材も積極的に再活用しており二酸化炭素排出削減効果も高いと評価させていただきました。

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