「モンドセレクション」ってお菓子などの商品などに金賞受賞って書いています。
今まで私自身、そんなに気に留めておらず、品評会で審査され激戦勝ち進んで取得されたんだろうって思っていました。先日までは・・・。
調べてみると以下の様です。
食の分野でもいろいろな賞がありますが、日本で比較的名の知れているものに「モンドセレクション(Monde Selection)」とよばれる賞があります。実際、某ビール会社の看板商品が3年連続最高金賞を取ったことで、盛んにPRされている広告を見て知った方も多いことでしょう。しかし、このモンドセレクションがいったいどのような賞なのか、その内容を知っている人は実はそう多くはいないのではないでしょうか。
モンドセレクションは「食のオリンピック」「食のノーベル賞」と例える方もいるそうですが、実体はたいぶ違います。まず、モンドセレクションの対象となる食品が、世界中から選ばれているような印象を受けますが、実際は食品メーカーがモンドセレクションの本部(ベルギーの民間団体)に1製品につき1,100ユーロ(約15万円)の審査料を支払って審査してもらうシステムになっています。
また、オリンピックのように金賞、銀賞、銅賞などもトップ3製品のみに与えられる感じがしますが、選定基準が絶対評価なため、かなりの数の金賞が毎年誕生しています。
私がモンドセレクションの最大の問題だと思うのは、その審査基準や審査過程、認証発行数(受賞者数)が公式に発表されていないことです。公式ウェブサイト*1を見ましたが、華やかな授賞式の様子が載っていても、審査に関することはほとんど未公開です。官能テイスティング、ラベル適合検査やラボ分析を行っているようですが、それらの分析結果などは、全く公表されていないのです。ですから、なぜ受賞できなかったのか、またなぜ金賞をとったのかすら、メーカー側も全く分からないようです。
このモンドセレクションは、日本国内では近年急激に知名度を上げていますが、国際的にはほとんど無名であり、その結果として、全世界からの審査対象品の5割が日本からの出品という異常な状態にあります。モンドセレクションの最高金賞は近年、毎年50~100点もの日本製品に与えられています*2。食品メーカーがこぞって受賞を目指すのは、マーケティング上PRになるからだと思いますが、毎年これだけ金賞が乱立されている状態では、結局PRとしての価値が暴落するのはもはや時間の問題でしょう。
なぜ、ベルギーの一民間団体の評価を得ようとするのか、ベルギーの人が美味しいと思う食べものが、日本人にとっても美味しいのか私ははなはだ疑問です。食はその国の文化の影響を大きく受けるのに、日本人が主に食べるものをなぜ日本人で評価しようとせず、海外の評価を得ようとするのでしょうか?
モンドセレクション審査に大枚を払って申請する食品メーカーや、米アカデミー賞に沸く日本から見えてくるのは「賞や権威に弱い日本人」や「海外の権威に頼る日本人」という実態です。
第二次世界大戦後、半世紀以上もたったにもかかわらず日本人の中に根強く残る「欧米崇拝」は、戦後の教育のためか、若い人よりも特に年配の方から強く感じられます。
科学の分野でも、国内で見向きもされなかった日本人の業績が、海外で評価され、慌てて日本でも後追いの評価をする事例をイヤというほど見てきました。日本人が行ってきたすばらしいこと、日本人が作ってきたすばらしいものを、日本人自身が真っ当に評価できるようになるのは、いったいいつのことになるのでしょうか。私は次世代の若者達に期待しています。
ここまで・・・。
- ベルギーの民間団体が行っている
- 無作為に選ばれた品から選ばれるのではなく審査料(約17万円)払って申請
- 賞ではなく実質は認証制度
- 審査は絶対評価で内容非公開
- 受賞ランクは特別金賞・金賞・銀賞・銅賞の4種類
- 同一カテゴリでも基準さえ満たせばいくらでも受賞可
- 最高金賞は毎年50~100件の日本製品に与えられている
- 最高金賞および金賞を3年連続に獲得した商品に授与される、
インターナショナル・ハイクォリティ・トロフィーは2008年度で100件以上 - 日本からの申請のうち8割は受賞する
- 審査対象の半分は日本からのもの
- 日本の受賞製品の大半が地方の中小企業
- 世界的には無名制度
また、日本から出品された8割が入賞しているようです。
賞自体が悪くは無いのですが、各メーカーや受賞者による課題表記が多いのが消費者を惑わすきっかけになるのでは・・・。と思いました。
今、出品する為の代行業者もいるようです。
ひとつ勉強になりました。