現存する最古の古民家箱木家住宅

古民家博士“川上幸生”FACEBOOKページから引用。

今日は現存する最古の古民家箱木家住宅について。

古民家解體新書でもお馴染みですよね。

箱木家住宅は千年家(せんねんや)と呼ばれ、

箱木家は地元の豪族・別所氏に仕えたとされ、後に庄屋となった一族です。

この住宅は、806年(大同元年)に建てられたとされており、

近世初期から「千年家」と呼ばれています。

昭和52年ダム建設の為に現在の場所に移築され、

移築の際におこなわれた解体調査で日本最古の民家である事が確認され、

室町時代(14世紀)建立の「主屋(おもや)」、

江戸時代建立の「離れ(はなれ)」の二棟が国の重要文化財に指定されました。

長年の間に多くの部材が交換され維持されてきましたが、

柱などの根幹材や、柱六本、桁、梁、貫などの一部は当初の部材が残存しています。

当時は製材の技術は現在ほど進んではおらず、

柱や床板などは「手斧(ちょうな)」で削りだしてあります。

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(写真イメージ:手斧 ちょうな)

「主屋」は入母屋造茅葺き。

「おだち鳥居組」と呼ばれる古式の垂木構造の屋根は

非常に大きく軒が低く、縄文時代の竪穴住居を思わせます。

また、屋根を支えるために壁が多く開口部が極端に少なく、

軸組みは柱間を足固貫、飛貫、桁で繋ぎ、

現在の古民家でよく見られる曲りのある小屋梁などは使われていません。

「主屋」の間取りは正面から見て右側(東側)に

「ニワ」と呼ばる「土間」で「竃」と「厩」があります。

西側は床が組まれた部屋が三部屋配置され、手前から「オモテ」、

裏側の土間に面した部分が「ダイドコ」、奥が「ナンド」となります。

床組部分は全て板の間で、この時代に畳は無く、畳は平安時代に誕生し、

江戸時代に広く普及しました。

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「千年家」とは、その家が末代まで栄える、

あるいは古い民家を指す通称で、箱木家住宅を含め三家が有名です。

箱木家住宅(兵庫県神戸市北区山田町衝原、鎌倉時代から南北朝時代)

旧古井家住宅(兵庫県姫路市 室町時代後期)

横大路家住宅(福岡県糟屋郡新宮町 九州最古 江戸時代前期)

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