住宅リフォームが近年増加しているなか(厳密には新築の棟数が減少による、比率が高まっている)、減らないのがリフォーム工事時のトラブル。
・訪問販売の事例
【事例1】屋根の塗装工事を契約したが、契約金額を修正液で書き直された
【事例2】訪問販売業者の言うままに契約し、代金を支払ったが業者と連絡がつかない
【事例3】11件で総額500万円のリフォーム工事を契約させられていた
【事例4】訪問してきた業者に急かされ、屋根工事の契約をしたが、解約したい
【事例5】訪問販売で屋根の塗装工事を依頼したが、業者が工事に来ない
【事例6】植木の剪定(せんてい)を依頼したのに、塗装工事も契約させられた
・店舗購入の場合
【事例7】外壁リフォーム工事を契約したが、業者が一方的にキャンセルした
【事例8】リフォーム工事を契約したが、請求額が最初の金額より1.5倍も高い
【事例9】当日中に契約しないと、50万円高くなるといわれた
【事例10】施工内容がずさんな上、口頭での契約と請求金額が違う
【事例11】浴室と洗面所のリフォームをしたが、施工がずさんで請求額が見積りと違う
※独立行政法人国民生活センターHPより
その他にも、ワースト3では
1,こんなはずじゃなかった
2,この傷は誰のせい?
3,マナーがなってない!
この3つが多いようです。
1のこんなはずじゃなかったというクレームの原因の多くは、
「打ち合わせ不足」によるものが大半です。
その中でも金額に関してのトラブルは、「聞き忘れ」「口約束の思い違い」が多く対策として
「しっかりと全ての打ち合わせをメモにとることを徹底」に限ります。
2のこの傷は誰のせい?というクレームでは、フローリングやキッチン、家具、建具のたてつけが悪いや
壁紙の貼りあがりが汚いなどの工事不良に関するクレームです。
新築工事なら、住み始める前に完了検査があり、その時点で不具合がチェックされ、補修のための期間が取られます。
しかしリフォームの場合、住みながらの工事も多いため、工事が終わった箇所からすぐ使い始めることも多く、完了検査がおざなりになってしまったり、使い始めてから傷が見つかるなど、不具合の責任の所在がはっきりしないために、補修費用の負担などでトラブルとなってしまうことがあります。
大切なことは、最後にまとめて完了検査をするのではなく、
使う前に担当者と一緒に仕上がりをよくチェックしなければなりません。
例えば、「養生」 と呼ばれる、傷や汚れ防止のためのシートを剥がす際には必ず立ち合い、
機器や家具などは使用前に担当者と一緒に確認することが大切なポイントです。
3のマナーがなっていないというクレームでは、迷惑駐車、騒音問題、非常識な工事時間、
約束の時間や日程を守らないなど、業者のモラルやマナーに関するクレームも多くあります。
これらはそのリフォーム会社の教育方針にも関わってくるのですが、
その担当者個人に依存する部分も大きく、業者選びの段階で、じっくり吟味して選んでいくことが一番のポイントとなります。
たとえば、打ち合わせの時間をきちんと守るかどうか。
黙って15分遅れてくる人の担当する工事は、黙って工期が3日伸びるかもしれません。
次の約束をきちんとしていくか、車を停める位置はどうか、書類が揃っているかなど、基本的な姿勢は、契約前に時間を掛けて見極めていくことも大切です。
業者にとって相見積もりは正直嬉しいものではありません。
しかし、「相見積もりをとりましょう(笑)」
と言うのは、値段の比較をするためだけでなく、このような業者の姿勢を見抜くための時間でもあるのです。
リフォームの業界は謂わば無法地帯でもあり、良い会社さんもいれば、悪い会社さんも多くいます。
今年、国交省が住宅リフォーム事業の健全な発達及び消費者が安心してリフォームを行うことができる環境の整備を
図るために、国土交通省の告示による住宅リフォーム事業者団体登録制度を創設しました。
住宅リフォーム事業者団体の登録に関し必要な事項を定め、
要件を満たす住宅リフォーム事業者団体を国が登録・公表することにより、
団体を通じた住宅リフォーム事業者の業務の適正な運営を確保するとともに、
消費者への情報提供等を行い、消費者が住宅リフォーム事業者の選択の際の判断材料とできるなど、
安心してリフォームを行うことができる市場環境の整備を図ることを目的としています。
より消費者が安心して業者を選択でき、上記の様なトラブルが1件でも減少されれば幸いです。