一体走りは10月7日の勝岡八幡神社の秋季大祭に行われる神事で、鉢巻きに褌姿の若者たちに担がれた神輿が、一体ずつ約100mの参道を駆け抜けるという、他所にはない珍しいものです。
始まった時期ははっきりしていませんが、江戸時代中期の文献に出てくる「走り込み」が一体走りを指しているとされ、その頃には既に行われていたと思われます。
由来として私たちが伝え聞いているのは、勝岡の特産だった塩を朝廷に献上する際、遠浅の和気浜(わけはま)を褌一丁の若者たちが、沖合に停泊している御用船(ごようせん)まで塩を濡らさないように担いで走っていったのが始まりというものです。 祭りに神輿を出すのは勝岡八幡神社の氏子地区の7地区です。
9月に入ると一体走りの練習。決して軽くない伝統が詰まったお神輿を揺らさず走り抜きます。
「太山寺」の神輿。金物が多く、磨きあげることで輝きを増します。
歴史ある地元の秋季大祭。昔に比べると人は減りました。
しかし、途絶えさすことは出来ません。
様々な時代を乗り越え、未来へ受け継ぐことこそが、大切だと思っています。
地域の輪をより深くするチャンスでもあります。
なので毎年、お祭りはお仕事を休ませて頂いています。
今、こうして働いているのも子どもの頃に育ててもらった地元があるからで、今度はそれをする番だと思っているからです。
台風も過ぎ、無事に松山へ帰っています。
今年は子ども神輿30周年という節目もあり大改修をおこないました。